味付け・調理法が多彩な万能食材「豚足」の美味しい食べ方&下処理方法
豚足と聞くとプルプルとしたコラーゲンが楽しめる煮物をイメージする方も多いかもしれません。
実は豚足は煮込む以外にもさまざまな料理ができ、それぞれ異なる食感を楽しむことができます。
また、味付け次第でさっぱりしたおかずから食べ応え抜群のメインディッシュまで幅広い料理に変化します。
おすすめの食べ方やお酒とのペアリングの他にも、美容や健康にうれしい栄養価についても詳しく解説します。
豚足とは?味や気になるカロリー
豚足とはその名の通り「豚の足部分のお肉」のことを指します。
もともと豚足を食べる習慣があったのは沖縄や奄美地方など限られていましたが、その美味しさから人気を博し現在は全国的に市場に出回るようになりました。
前足と後ろ足どちらも食用として販売されており、区別されずに流通しているケースも少なくありません。
前足と後ろ足を見分けるポイントは骨の量で、後ろ足の方が骨が多く含まれています。
肉質の違いとしてはよく動かす前足の方が赤身の肉の割合が高く、後ろ足は比較的太めで脂がのっています。
とはいえ味の違いが大きくあるわけはないので一概にどちらがおいしいとはいえません。
身の色が白やクリーム色でツヤとハリがある豚足がより美味しいのでチェックしてみてください。
豚足の別名
全国的に豚足という呼び名が広く普及していますが、沖縄では「てびち」「足てびち」「てぃびち」などと呼ばれています。
この「てびち」という呼び名は「手引き」という琉球方言が転訛して成立した言葉で、もともとは煮込み料理を指す名前でした。
沖縄では豚足を煮込んだ料理がよく食べられているためか、現在では「てびち=豚足」として認識されています。
また同様に豚の足部分を指す言葉として「チマグ」という言葉に聞き覚えがある方もいらっしゃるかもしれません。
チマグとテビチはともに豚足を指す呼び名ですが、チマグは「手のひらやつま先のみ」、テビチは「二の腕やすねに近い部分から足先までを含めた足全体」を指しています。
基本的にテビチにはチマグも含まれていると捉えても良いのですが、地域によってはチマグよりも上部分のみをテビチと呼ぶケースもあるようです。
豚足(テビチ)の栄養価やカロリー
豚足と聞くとプルプルとしたやわらかい肉質をイメージされる方も多いのではないでしょうか。
このプルプル食感を生み出しているのはコラーゲンです。
コラーゲンは動物の骨や皮膚に多く含まれているタンパク質の一種で、健康な骨や筋肉、血管などを形成するのに必要な成分です。
皮膚の保湿力や弾力性を高める効果もあるので、美容に良い成分としても知られています。
そんなコラーゲンは実は人間に必要なタンパク質のおよそ3分の1を占めているので、豚足は健康な体づくりにもってこいの食材といえます。
豚足にはコラーゲンの他にナトリウムや皮膚・粘膜の形成を助けるナイアシンなどの栄養分も含まれています。
豚足のおいしい食べ方
豚足は非常に多彩な食べ方が楽しめるお肉です。
豚足の美味しさを引き立てるおすすめの食べ方をご紹介します。
食べ方①ボイルした豚足をそのまま味わう
茹でた豚足をお好みのタレにつけることで、プルプル食感と程よい肉の旨味をダイレクトに楽しむことができます。
辛子酢味噌や薬味を聞かせたタレなど幅広いテイストの付けダレに合うので、一重にボイル豚足をディップするといっても気分に合わせてさまざまな味わい方が可能といえます。
食べ方②豚足の表面を炙る
下茹でした豚足の表面を炙り、お好みのタレにつけていただくのもおすすめの食べ方のひとつです。
炙るという一手間を加えることで、香ばしさを感じながら外はカリカリ、中はプルプルという異なる食感を楽しむことができます。
食べ方③豚足をカリッと焼きあげる
下茹でした豚足を炭火や鉄板でこんがり焼き上げることで、よりジューシーで食べ応え抜群の豚足料理が完成します。
焼き豚足は福岡県で定番メニューとして広く親しまれている食べ方で、長時間加熱することでコラーゲンがゼラチン質に変化し、もっちりとした食感が楽しめます。
プルプル感が苦手という方でも食べやすく、表面のカリカリ食感と内側のもちもちの食感が織りなす贅沢な食べ応えにやみつきになる人も多いでしょう。
食べ方④豚足をトロトロになるまで柔らかく煮る
やはり豚足料理で外せないのは煮物です。
醤油や砂糖で甘辛く煮るのはもちろん、おでんの具などあっさり系の味付けにもマッチします。
弱火でじっくりと煮込むことでコラーゲンの持つプルプルとした柔らかな食感が一段と増し、とろける絶品料理が完成します。
食べ方⑤油でカリッとあげる
唐揚げなど、豚足に衣をつけてカリッと揚げることでサクサクとした衣と内側からとろっとあふれるもっちりとしたコラーゲンの味わいを堪能することができます。
揚げた香ばしい衣と豚足の相性は抜群で、ポン酢などと合わせることでジューシーながらもさっぱりとした一品に仕上がります。
豚足におすすめの味付け
赤身・脂身ともに比較的淡白な味わいの豚足は、濃厚なものからさっぱりとした爽やかなものまで幅広い味付けにマッチします。
ここでは特におすすめの味付けをご紹介します。
①辛子酢味噌
豚足のボイルや炙りと合わせるタレとして定番な辛子酢味噌は、さっぱりとした酸味とピリッとくる辛みがクセになる味わいです。
まろやかなコラーゲンの味わいに辛子酢味噌の酸味や辛みがアクセントとなり、程よくさっぱりとした旨味を味わえます。
②香味ダレ
生姜やネギなどの香りを楽しめる香味ダレも、豚足にぴったりの味付けです。
豚足自体にクセがないので、香味野菜の香りが邪魔されず豚足の食感と相まって絶品の料理が完成します。
ボイルや炙りはもちろん、よりもっちり食感が魅力の焼き豚足にもおすすめの付けダレです。
③醤油ダレ
シンプルながらも肉料理と相性抜群の醤油ベースのタレは、もちろん豚足にもぴったりです。
物を作る際に定番の味付けとして用いられていることもあり、砂糖やみりんなど甘みをしっかり加えることでまろやかな味わいになります。
アクセントとして生姜やネギなどで香り付けするのもおすすめです。
④味噌ダレ
煮込む際のベースはもちろん、つけダレとしてもおすすめな調味料は味噌です。
コクと深みのある味わいの味噌は、豚足のコラーゲンが持つずっしりとした食べ応えと相性が良いです。
豆板醤やコチュジャンなどの辛めの味噌で味付けをすると、ピリ辛で思わずご飯がすすむ絶品おかずが完成します。
⑤塩と胡麻油
ボイルや炙りで調理した豚足をさっぱりといただく際には塩とごま油のシンプルな味付けがおすすめです。
お好みでニンニクや生姜などの薬味を加えることで、よりすっきり味わえます。
プルプルの食感やコラーゲンをしっかり味わいたい方におすすめの味付けです。
豚足の下処理方法
豚足を調理する際は、下処理として下茹でをする必要があります。
基本の下処理とはいえ、ボイル豚足としてそのまま食べる場合も多くあります。
煮込み料理や焼き料理にする際も、下茹で済みの豚足を使用するのが一般的で、ここでしっかり柔らかくしておくことで絶品の食感につながります。
捌く工程と下茹での工程の順番はどちらでも大丈夫なので、調理方法などに合わせて順番を工夫してみてください。
豚足の捌き方
そのまま下茹でしても迫力があるが、食べやすいように捌いてから調理するのもおすすめです。
ただし豚足は骨が非常に多く含まれているので、刃こぼれや誤って怪我をしてしまう可能性も高いです。
冷凍のものは完全に解凍した状態で捌いてください。
また、うまく切る自信がない場合は調理後に切り分けることをおすすめします。
爪の間で二等分する
豚の足は爪先が二つに先分かれしています。
この二つの爪のちょうど間の部分に包丁を入れると比較的切りやすいです。
ノコギリで切るようなイメージで切るのがポイントです。
骨髄部分をこじ開ける
二等分したあと骨の断面の中心部分、若干白と青が入り混じった色をした部分に包丁の先端を突き刺し、力をかけながらゆっくりと押し広げます。
一度に真っ二つにするのではなく、なんども刺しては広げるという工程を繰り返すことで骨を分断することができます。
この工程は力も必要でやや危険な作業になるので、難しそうであれば二等分のまま調理することをおすすめします。
下茹で方法
豚足を茹でる際にはたっぷりのお水と料理酒、臭み消しとしての長ネギの青い部分や生姜を使用します。
豚足がしっかり水に浸かるくらいの大きめの鍋をご用意ください。
下茹での手順
鍋でたっぷりのお湯を沸かしたら、豚足をいれて十分ほど茹で上げます。
その後一度豚足を水で洗い、鍋に戻し入れたら長ネギや生姜、料理酒100cc程度と豚足が浸かるくらいの水をいれて再び煮立たせます。
アクを取りながら2時間ほどじっくり煮込むことで、柔らかく臭みのない豚足が完成します。
薬味と一緒に煮た茹で汁は豚足エキスたっぷり
ネギや生姜、料理酒と煮た際の茹で汁には豚足のエキスが溶け出しています。
このまま味を整えスープにすると絶品なのでぜひご活用ください。
毛の処理
市販の豚足の中には稀に毛の処理がされていないものもあります。
加熱処理をすれば食べても健康に害はありませんが、見た目的にも口当たり的にもあまり良いとはいえません。
毛の処理の仕方としては剃刀やカッターで剃るのが一般的です。
毛抜きや包丁を使うケースもありますが、いずれにしても怪我をしないよう軍手を装着しておこなうのがおすすめです。
表面に毛が残っていなくても、肉の内側に若干残っているケースもあるのでバーナーやライター等で炙って取り除きます。
豚足にあうお酒
豚足は多様な味付け、食べ方が楽しめる絶品食材です。
コラーゲンたっぷりの豚足の美味しさを引き立てるおすすめのお酒との合わせ方を、調理法や味付けに合わせてご紹介します。
ビール
豚足を揚げ物や濃いめのタレとあわせて食べる際には、程よい苦味と炭酸のさわやかな喉ごしが楽しめるビールがぴったりです。
ビールのすっきり感が脂のこってり感や濃い味付けを中和してくれます。
焼酎・泡盛
豚足はもともと沖縄や奄美を中心に食べられていたお肉です。
そして鹿児島と沖縄といえばそれぞれ焼酎と泡盛が有名な地域です。
そのため豚足料理と焼酎や泡盛の組み合わせは外せません。
サツマイモで作った薩摩焼酎や奄美で広く親しまれている黒糖焼酎はどちらも甘みを感じるすっきりとした香りが特徴です。
九州の料理、特に煮物は砂糖をふんだんに使った甘さが特徴なので、豚足と薩摩焼酎・黒糖焼酎をあわせる際は甘めの味付けがおすすめです。
豚足の甘じょっぱさと、焼酎の甘さがマッチし、すっきりした香りで濃厚な味わいを楽しめます。
また沖縄の泡盛も香りが豊かなお酒のひとつです。
香味野菜を使った料理と合わせることで香りの相乗効果が楽しめます。
他にも度数が高く特有の香りのインパクトが強い泡盛は、濃厚な味付けの料理とあわせるのもおすすめです。
赤ワイン
肉料理といえば赤ワインという方も多いかもしれません。
赤ワインと肉の相性が良いとされているのは、ワインに含まれる渋味成分タンニンが肉の脂をすっきりさせることや、フルーティーで豊潤なワインの香りが肉の強い存在感に引けをとらないことが主な理由です。
豚肉は牛肉と比べて淡白な味ですが、豚足はコラーゲンの重厚な味わいということもあり赤ワインにも引けをとりません。
重すぎないミディアムボディやライトボディで酸味や果実味が楽しめる軽口のものを選ぶと、煮物や濃いめの付けダレと合わせた豚足料理に爽やかさを加えることができます。
白ワイン
魚料理などの淡白な味わいと相性の良い白ワインですが、実は肉料理と合わせるのもおすすめのお酒です。
甘辛く煮込んだ豚足には甘口の白ワイン、薬味を聞かせた香味ダレや豆板醤などのスパイシーな味付けの一品には辛口のワインを合わせるのがおすすめです。
飲みやすくフルーティーな甘口の白ワインには味の濃い料理、特に甘みを感じる味付けのものを合わせることで、口の中に甘じょっぱさが広がります。
また辛口の白ワインの爽やかな香りでキレのある飲み口は、スパイスの聞いた香りの強い料理と合わせると違いの風味が相乗効果で引き立ちます。
(まとめ)豚足は多彩な食べ方が楽しめる万能食材!
コラーゲンが豊富で調理の仕方で多彩な食感が楽しめる豚足は、さまざまな味付けに合う万能食材です。
少々下処理に手間がかかりますが、茹で汁を使ったスープもおすすめなので余すところなく豚の旨味を活かせる部位といえるでしょう。
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