【状況別に解説】食品のテイクアウト販売を始める際に必要な許可について
テイクアウトサービスをスタートする飲食店が多い中で、自分の店もテイクアウトを始めようか迷っているけれど、手続きの仕方が不安といった悩みをお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
どんな準備が必要なのか詳しく知っておきたいという方も多いでしょう。
そこで食品のテイクアウト販売を始める際に必要な手続きや準備、押さえておきたい注意点について詳しくご紹介します。
屋外屋内それぞれの手続きの違いについても詳しく解説するので、ぜひ参考にしてください。
食品のテイクアウト販売には許可が必要?
食品のテイクアウト販売を開始する際には、許可が必要なのかどうかについてご紹介します。
すでに営業許可を受けている場合は必要ない
すでに営業許可を受けている飲食店が店舗で調理をし、テイクアウトメニューとして販売するには、飲食店営業許可を取っていれば、その他に許可は必要ありません。
(例)飲食店で販売しているチキンをテイクアウト用に包んで販売する。
⇒許可は必要ない。
食品によっては別途許可が必要
飲食店営業許可を持っていても、別途許可を取る必要がある食品もあります。
・ケーキ⇒菓子販売業
・アイス⇒乳類販売業
・ローストビーフ⇒食肉製品製造業
・ラーメン⇒麺類製造業
・刺身⇒魚介類加工業
・仕入れた食品をそのまま販売する⇒食料品等販売業
上記の食品を販売する際には、その食品が該当する許可を新たに取る必要があるので注意が必要です。
(例)飲食店で販売しているケーキをテイクアウトで販売する
⇒飲食店営業許可+菓子販売業許可が必要
酒類を販売するには申請が必要
自身の飲食店で販売している酒類(アルコール)をテイクアウト用として販売するためには、酒類小売業免許の取得が必要になります。
酒類小売業免許を取得すると、日本酒・ビール・焼酎・スピリッツ・リキュールなど、未開封・開封済み関係なく全ての酒類を販売することができます。
免許が付与されるまでの流れは以下の通りです。
①免許を申請した飲食店に対して、先に期限付酒類小売業免許を付与
②酒税法第10条に該当していないか審査する
③酒税法第10条に該当していることが認められた場合は免許は取消
【状況別】許可申請の有無
テイクアウト販売を始める際に、許可が必要か否かについて状況別にご紹介します。
店内で調理した料理をテイクアウト販売する場合の許可
飲食店の店内で調理した料理を、テイクアウト用に包み販売することは飲食店営業許可を取得していれば可能です。
ただし店内で調理したものを別の隣接施設で販売する場合は、その施設ごとに許可を取る必要があるので注意しましょう。
またあらかじめ大量に製造しておき、それらを保存・販売する場合や時間が経ってから施設以外の場所で販売するという場合は保管設備を設置し、届け出を申請する必要があります。
屋外で調理や販売をする場合の許可
すでに飲食店営業許可を取っている店舗の商品であれば、その商品を屋外でテイクアウト販売することが可能です。
ただしお祭り出店のように屋外に調理設備を用意し、店舗の外で調理をする場合は店舗での許可とは別に飲食店営業許可を取得する必要があります。
販売するものによって取得するべき許可の種類も変わるので、保健所にしっかりと確認することが重要です。
また屋外で調理する際には異物が混入する可能性や食品温度を保つことが難しくなるため、食品衛生上の問題が起こりやすくなります。
そのため保健所の判断も厳しくなり、別途許可が必要になる場合もあることを理解しておきましょう。
キッチンカーなど自動車でテイクアウト販売する場合の許可
キッチンカーなどの自動車を用いて移動しながら、食品をテイクアウト販売したいという方もいらっしゃると思います。
自動車を使ってテイクアウト販売をする際の許可についてそれぞれご紹介します。
自動車内で調理したものを屋外販売する場合
クレープやたこ焼きなどをキッチンカーで調理し、販売している場面を見たことがある方も多いと思います。
そのように自動車内で調理したものを販売する際には、
・飲食店営業許可
・喫茶店営業許可
・菓子製造業
などの許可を取る必要があります。
自動車で調理しない場合
移動型のお弁当屋さんのように、自動車内では調理をせず販売のみをおこなうという場合は、以下の許可を取る必要があります。
・食料品等販売業
・乳類販売業
・食肉販売業
・魚介類販売業
販売する食品の種類に合わせて、必要な許可を取るのがよいでしょう。
飲食店営業許可等に比べ、比較的取得しやすいですが、これらの許可では生ものを販売することや温める、盛り付けることも出来ません。
あくまでも、包装されているものを販売することのみ許可されているということをしっかりと理解していきましょう。
自動車でテイクアウト販売をする際の注意点
自動車で移動販売する際には、テイクアウト販売をおこなう場所ごとに保健所での許可を受ける必要があります。
許可を受けた場所以外では販売することが許可されていないので注意してください。
(例)渋谷区での販売許可を受けた場合、渋谷区でのみ販売が可能
⇒新宿区では販売することができない。
また場所の他に、移動販売する自動車自体にも保健所の営業許可が必要になる場合があります。
移動販売をすると決めた段階で保健所に相談しておくことがおすすめです。
テイクアウト販売をする際の準備
テイクアウト販売を始める際に必要な準備についてご紹介します。
容器等の備品
テイクアウト販売を始める際には、専用の使い捨て容器や箸、カトラリー、袋などの備品が必要になります。
容器だけをとっても、プラスチック製なのか紙製なのか、厚手タイプなのか抗菌タイプなのかなど種類が豊富にあります。
テイクアウト販売する商品の内容に合わせて、材質や丈夫さ、見た目などをそれぞれ選ぶようにしましょう。
ランニングコストを考慮する必要がある
ランニングコストとは、月額費用などの定期的にかかる費用を指します。
テイクアウト販売をする場合、お皿などを洗って使い回すことはできないため使い捨てのプラスチック容器を利用することになります。
おしゃれなものを使用したいと思う方も多いと思いますが、消耗品にコストを掛けてしまうと長期間維持することが難しくなってしまいます。
テイクアウト販売で得ることのできる売上とのバランスを考えて、容器や箸などにかけてよい価格設定をすることが大切です。
ポップなどの広告
テイクアウト販売を始めたということを多くの方に知ってもらうことで、来客数が上がり売上の増加の可能性が上がります。
どんな商品を販売しているのかなど、見ただけですぐに分かるポップなどを作成するとよいでしょう。
利用者が多いSNSで公式アカウントを作成し、メニューや販売状況などを投稿するのもおすすめです。
ポップや広告などを活用した、飲食店の売上アップアイディアについてはこちらの記事で詳しくご紹介しています。
テイクアウト販売の際にも活かせることを数多く紹介しているので、こちらの記事と合わせて参考にして下さい。
【徹底解説】今知りたい!飲食店の売り上げをアップさせるためのアイデア15選
内容量・賞味期限・消費期限のラベル
コンビニやスーパーなどのお弁当や総菜には、賞味期限・消費期限、原材料等を記載したラベルが貼られていますが、飲食店などが食品をテイクアウト販売する際は、それらの表示は義務化されていません。
ただし、飲食店内で調理したものではなく、別の施設で調理・加工したものを販売する際には、消費期限の表示が義務化される可能性もあります。
テイクアウト商品による体調不良者や食中毒者を出さない為にも、消費期限やアレルギー食品の有無については記載することをおすすめします。
また賞味期限・消費期限、原材料等の記載義務はテイクアウトとして販売するものの内容によっても異なります。
テイクアウトの方法を含め、事前に保健所に確認しておくと安心です。
電子決済サービス
最近ではキャッシュレス決済の需要が高まっているため、電子決済サービスを導入しておくことがおすすめです。
直接的な現金の受け渡しが発生しないので、感染症予防にもなりますし、タッチのみで決済することができるため、回転率を上げることもできるでしょう。
テイクアウトを利用する方の中には、時間に急いでいてスピーディに購入したいという方も多いので、電子決済サービスを導入することによって消費者の購入ハードルを下げることにも効果的です。
テイクアウト販売をする際の注意点
テイクアウト販売をする際に注意しておくべきポイントについてご紹介します。
食中毒のリスクがある
食品をテイクアウト販売する際には、食中毒のリスクが付き物です。
テイクアウト販売は、店舗内での飲食に比べて消費者が料理を食べるまでに時間がかかるため、より一層衛生面に注意をして管理に努める必要があります。
調理後は速やかに提供することができるように販売の流れを決めておくことや、賞味期限・消費期限の設定をしっかりとしておきましょう。
テイクアウト商品によって消費者が体調不良や食中毒になってしまった場合、保健所に通報されてしまうだけでなく、消費者からの信用を失ってしまうことになります。
信用を失ってしまうと、それまでのように営業を続けることが難しくなってしまうことも多いです。
・マスクとビニール手袋をする
・まな板や作業台、調理器具の除菌を徹底する
・ラップなどの異物が混入しないようにする
・消費期限やアレルギー商品の伝達
などを徹底的におこない、しっかりとリスク管理しておきましょう。
収益性が下がるリスクがある
テイクアウト販売の場合、値段設定をしっかりと考えないと売れにくくなってしまいます。
席に座ってサービスを受ける場合は一食に2000円以上支払う方も多いですが、テイクアウトの場合1000円を超えてしまうと高いと感じる方が多いです。
消費者が購入してくれるギリギリのラインの値段設定をすることができないと売れませんし、安くしすぎてしまうと収益が下がってしまいます。
加えて容器等の消耗品にもコストがかかってしまうので、収益性が下がってしまうことも多いことを理解しておきましょう。
テイクアウト販売で配達サービスを利用するメリット・デメリット
最近ではアプリひとつで食品をデリバリーしてもらえるサービスが増えています。
テイクアウト販売で配達サービスを利用することで得られるメリットと起こりうるデメリットについてご紹介します。
<メリット>
・人員を増やさずに簡単に始めやすい。
・幅広い人に利用してもらえる。
・サービスを通じて、新規利用者を獲得できる。
<デメリット>
・新しいコストがかかる。
・運びやすいメニューを考える必要がある。
・配達用の容器を用意する必要がある。
などのメリット・デメリットがあります。
それぞれをしっかりと理解したうえで、利用するか決めてみてください。
(まとめ)食品のテイクアウト販売を始める際は保健所に相談しよう
食品をテイクアウトで販売する際に必要になる許可についてご紹介しました。
飲食店営業許可を取得している店舗でテイクアウト用に包み販売する際には、新しく許可を取得する必要はありません。
ただし屋外で調理・販売する場合や、キッチンカーなどで移動販売をする場合、酒類(アルコール)を販売する場合は新しく許可を取得する必要があるので、事前に保健所に確認しておきましょう。
また、食品をテイクアウト販売する場合は、食中毒や収益性が下がってしまうというリスクがあるので、それをしっかりと理解したうえでテイクアウト販売をスタートしてみてください。
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