酒の肴にもぴったり!豚軟骨の部位や美味しい焼き方・調理法とお酒の合わせ方
コリコリ食感が楽しい豚軟骨はリーズナブルで美味しい人気の部位です。
実は豚軟骨には部位によって呼び名や味の特徴に違いがあります。
そこで今回は、豚軟骨の種類とそれぞれの味や食感の特徴を解説するとともに、それをふまえたおすすめの調理法やお酒との合わせ方をご紹介します。
気になる下処理方法も詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。
豚軟骨とは?どこの部位?
豚軟骨はお酒のおつまみとしても知られている部位です。
豚軟骨という名前とはいえ、どこの部分の軟骨でも良いというわけではありません。
一般的に流通している豚軟骨は「豚バラ軟骨」と「豚のど軟骨」の2種類です。
豚バラ軟骨は肋骨と胸骨の間部分(下図でいうと中バラと外バラの間付近)にあるあばら骨周辺の軟骨のことで、豚バラ肉と同じように脂を多く含んだ肉の中に細かい軟骨がたくさん含まれています。
厚さ1〜2cm、幅約10cmの塊が左右一つずつしかとれないため、一頭あたり500〜1000gと量としては希少なお肉といえます。
豚のど軟骨はその名の通り豚の喉元にある軟骨をさします。
タンの付け根であるトントロの下側にあり、一頭あたり数百グラムしかとれません。
豚バラ軟骨、豚のど軟骨ともにとれる量が少ない部位ではありますが、以前は廃棄されていた部分ということもありお値段はリーズナブルなのも嬉しいポイントといえるでしょう。
豚軟骨の別名
豚軟骨の別名としては、豚バラ軟骨はパイカ、豚のど軟骨は「ドーナツ」「ワッカ」「上ナンコツ」とそれぞれ異なる呼び名が存在します。
パイカという名前は、中国でスペアリブ(骨付きのバラ肉)をさす「排骨(パイコー)」に由来するといわれています。
豚のど軟骨の呼び名は複数ご紹介しましたが、それぞれ異なる部分をさしています。
一般的には豚のど軟骨としてまとめて流通していることが多いですが、ここでは詳しくご紹介します。
「ドーナツ」は気管の先端、喉仏周辺部分の軟骨を指す呼び名です。
中央に穴が開いていることからその名がつけられ、豚のど軟骨の中では最も「ドーナツ」として単体で流通する機会が多いです。
「ワッカ」はのどの気管部分の軟骨で白い管のような形をしています。
「上ナンコツ」は「ノドブエ」「クツベラ」とも呼ばれており、声帯部分の軟骨です。 ドーナツやワッカと比べると比較的柔らかい歯応えが特徴です。
以上のように豚のど軟骨は細かく分類することが可能ですが、それぞれ単体で流通するというよりはまとめて売られるケースが多いので、この記事では一括りに豚のど軟骨としてご紹介します。
豚バラ軟骨(パイカ)の味と食感
豚バラ軟骨はお伝えしたように豚バラ肉周辺の軟骨なので、肉自体の味としても豚バラによく似ています。
軟骨自体も比較的柔らかめでコリコリでプルプルとした食感が楽しめるので、非常に食べやすい部位です。
豚のど軟骨の味と食感
豚のど軟骨は豚バラ軟骨よりもかためで、より歯応えを楽しみやすい部位です。
赤身部分と軟骨部分の食感の違いが魅力で、焼き加減次第ではカリカリ食感が引き立ちます。
豚軟骨の栄養価やカロリー
豚軟骨のカロリーは100gあたり231kcal程度です。
肉ということもありカロリーは決して低いとはいえませんが、100gあたりの糖質量は0gと非常に低糖質です。
少しも糖質がないというわけではないかもしれませんが、微々たる量であることは確かなので糖質制限メニューにもおすすめの食材といえるでしょう。
またビタミンA群、B群、鉄分、亜鉛に加えてコラーゲンも含まれているので、豚軟骨の栄養価は侮れません。
豚軟骨のおいしい食べ方
豚バラ軟骨、豚のど軟骨は同じ豚軟骨とはいえ異なる食感や味わいが魅力の部位です。
それぞれの肉質の特徴を踏まえておすすめの食べ方をご紹介します。
豚バラ軟骨(パイカ)のおいしい食べ方①煮込み料理
豚バラ軟骨は豚バラ肉と似ているやわらかな赤身・脂身と火を通すとやわらかくなる軟骨部分の魅力を活かした煮込み料理がおすすめです。
じっくり煮込むことでお肉と軟骨が非常にやわらかくとろける味わいに仕上がります。
味噌や醤油の濃いめの煮付けはもちろん、ポン酢などでさっぱりと味付けるのも絶品です。
豚バラ軟骨(パイカ)のおいしい食べ方②揚げ物
柔らかく煮た豚バラ軟骨を油でカリッと揚げることで、表面のカリカリサクサクな食感と中からとろける柔らかな食感が相まって絶品です。
揚げびたしや唐揚げ、天ぷらなど揚げ物だけでも幅広く楽しめるので、とろける豚バラ軟骨の魅力の楽しみ方も広がります。
豚のど軟骨のおいしい食べ方①煮込み料理
豚バラ軟骨と比べて歯応えがしっかり楽しめる豚のど軟骨は、じっくり煮ても煮崩れしにくい部位です。
柔らかく口の中でほどける赤身部分とコリコリとした軟骨部分の食感の違いが楽しめる一品が仕上がります。
和風の煮物以外にも洋風のトマト煮やおでんの具にもおすすめです。
豚のど軟骨のおいしい食べ方②挽肉料理のアクセント
スライスした豚のど軟骨を細かく刻み、挽肉料理に混ぜ合わせるのもおすすめです。
ハンバーグや餃子、ミートボールなどにコリコリ食感を加えることで、一味違った美味しさを演出できますよ。
思わず何度も噛みしめたくなる食感なので、合わせる挽肉の味付けにもこだわるとより一層美味しさが深まります。
豚のど軟骨のおいしい食べ方③炒め物
コリコリ食感の豚のど軟骨は、しっかりと炒めて火を通すとカリカリの食感に変化します。
低温からじっくり炒めることで香ばしく歯切れの良い味わいになるので、まず初めに豚のど軟骨をある程度炒めてから他の材料を加えるのがポイントです。
豚軟骨にあうお酒
和風から洋風、中華風など幅広い料理に使える豚軟骨の美味しさを引き立てる、おすすめのお酒の合わせ方をご紹介します。
ビール
揚げびたしや唐揚げなどの揚げ物や、濃いめに煮付けた豚軟骨料理にはキレのあるビールがぴったりです。
ほろ苦い味わいと特有の爽やかな香りがこってりめの料理を引き立てます。
炭酸のすっきり感で口の中を適度にリセットすることで、飽きることなく豚軟骨料理を楽しむことができるでしょう。
焼酎
お酒のつまみにもってこいの豚軟骨は、やはり焼酎とも相性抜群です。
ニンニクや胡椒を聞かせた炒め物や濃い味付けの料理には、芋焼酎特有の香りや麦焼酎の香ばしさがよく合います。
飲みやすく水割りをぐびぐびといただくのはもちろん、ロックでアルコールのキレをアクセントに肴を味わうのもおすすめです。
日本酒
濃いめの味付けの煮物や炒め物にぴったりの豚軟骨は、ご飯のお供にもぴったりです。
そしてご飯にあう食べ物は、お米から作られた日本酒との相性が抜群です。
特にお米本来のふくよかな香りが魅力の純米酒は、濃いめに味つけた豚軟骨料理とぜひ合わせていただきたいお酒といえます。
また、ご飯とバターの相性が良いように純米酒はバターの風味とも抜群にあいます。
豚軟骨をニンニクバターやバター醤油などで調理した際は、ぜひ日本酒とあわせて召し上がってください。
ワイン
豚バラ軟骨のとろけるずっしりとした味わいや豚のど軟骨の洋風の煮込み料理には、同じく深みのあるワインをあわせるのがおすすめです。
揚げびたしや唐揚げなどに柚子胡椒や山椒などの薬味と辛口白ワインのフルーティーな香りを合わせることで、ジューシーながらもさっぱりと味わうことができるでしょう。
またトマトベースに限らず、味噌や醤油など深みのあるタレでじっくり煮込んだ豚軟骨には、タンニンの渋みを感じる赤ワインがおすすめです。
脂身も多い豚バラ軟骨には重めのフルボディ、赤身とコリコリ食感のアクセントが楽しい豚のど軟骨には軽めのライトボディの赤ワインの相性が良いでしょう。
豚軟骨の下処理方法&捌き方
豚バラ軟骨は骨が多いという特性上、下処理に少々手間がかかります。
しかし丁寧に処理をすることで、リーズナブルなお肉とは思えない贅沢な味わいになりますよ。
豚バラ軟骨(パイカ)の下処理方法
豚バラ軟骨を下処理する際は、まず塊のままグツグツと下茹でします。
蓋をすると臭みが残ってしまうので、豪快に湯気を立たせながら5分ほどしっかり煮込みます。
このときアクがでてくるので、忘れずに取り除きましょう。
しっかり煮込めたら一度お湯から上げて水で軽くアクを洗い流します。
このままではまだかたいので、お好みの大きさに切り分けてからさらに加熱する必要があります。
圧力鍋を使ったり、鍋で長時間コトコトと煮込むほか、炊飯器を活用することもできるので、レシピにあわせて柔らかくなるまでしっかり火を通してください。
豚バラ軟骨の捌き方はこれといって決まりはないので、作りたい料理に合わせて切り分けます。
一口大にするもよし、角煮ほどの大きさで食べ応えを演出するもよしなので、ぜひレシピに最適な切り方を試してみてください。
豚のど軟骨の下処理方法
豚のど軟骨はスライスされた状態、もしくはチューブ状の塊で販売されています。
スライスの場合は下茹でせずとも調理段階で食べやすいやわらかさになるので、かるく洗ってそのまま調理して大丈夫です。
チューブ状の場合は軽く洗い、作りたい料理に合わせてカットします。
軟骨とはいえかたいので、怪我や刃こぼれに十分注意してください。
たっぷりのお湯を沸騰させた鍋にカットした豚のど軟骨をいれ、アクをとりながら5分程度茹でれば下処理完了です。
豚軟骨のおすすめレシピ
豚軟骨の魅力を活かせるおすすめレシピをご紹介します。
豚バラ軟骨(パイカ)のおすすめレシピ『豚バラ軟骨の角煮風』
豚バラ軟骨は煮物にぴったりのお肉です。
特に大きめのぶつ切りでじっくり煮込んで作る角煮は口の中でとろける、ご飯のおかずとしてもぴったりの一品です。
下茹でした豚バラ軟骨と大根などのお好みの具材、長ネギの青い部分、生姜の薄切りを鍋に入れ、醤油や料理酒、砂糖、みりんを加えて煮込みます。
鍋でじっくり煮込むのも良いですが、ここで圧力鍋を使用すると調理時間を短縮できるのでおすすめです。
お好みでうずらやゆで卵を加えても良いでしょう。
からしや七味、山椒、柚子胡椒などの薬味を合わせるのもおすすめです。
豚のど軟骨のおすすめレシピ『カリカリにんにく炒め』
食感が楽しい豚のど軟骨は、低温で時間をかけて炒めることでよりカリカリとした食感に変化します。
オリーブオイルを引いたフライパンにニンニクと鷹の爪を加えて熱し、油に香りがうつったら下茹でした豚のど軟骨を加え塩をふって炒めます。
弱火で時間をかけてカリカリになるまでしっかり炒めれば完成です。
お好みで長めに切った長ネギを加えても、ネギの甘みと軟骨に染みたにんにくと塩のコントラストが絶品です。
(まとめ)コリコリ食感ととろけるお肉の豚軟骨は安くて美味しい絶品部位
リーズナブルながらもさまざまな食感や肉の旨味が楽しめる豚軟骨は絶品の部位です。
下茹での手間はかかりますが、コストパフォーマンスも良く料理の幅も広がるのでお酒のおつまみにもぴったりです。
ぜひ今回ご紹介した内容を踏まえて、美味しい豚軟骨レシピを考えてみてください。
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